探偵の知識

現時点で夫婦関係が破たんしているかどうかが問題となるので、現状では離婚は認められない可能性が高いでしょう。

　確かに、旧民法では、不貞を許した場合に離婚の訴えはできないとされていました。しかし、現在では、夫の過去の浮気を許したことを理由に、離婚が認められないということはありません。
　夫と離婚について調停・訴訟で争うことになった場合、裁判所は「今現在」離婚する理由があるかどうかということを問題とします。過去、夫がどのような状況で浮気をしたか、その後どのように関係を修復したかなどということを聞かれますが、それはあくまで過去の事象が現在の夫婦関係にどう影響しているかということを知るためです。ただ、そうだからといって、妻の要求通り離婚が認められるとも限りません。現在の状況からして離婚を認められるだけの理由があるとは言い切れないからです。
　調停や裁判では、公平に夫婦関係の破たんの程度が判断されます。夫が浮気相手と別れ、育児にも協力して家庭を大事にしようという姿勢を見せているのであれば、妻に対しても関係修復に向けて努力することを求め、離婚を認めないとする可能性が高いでしょう。しかし、それでも離婚したいというのであれば、「別居に踏み切る」「就職先を見つける」など、具体的な行動をして離婚の決意が固いことを相手に示していく他ないでしょう。