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探偵の知識

妻とどうしても性格が合わないため、離婚したいと考えていますが妻は拒否しています。離婚するのは難しいのでしょうか。

2025年11月19日

離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
梅原 ゆかり

裁判になった場合、すぐには離婚できない可能性があります。

 双方がお互いに夫婦生活を続けていくことができないと感じ、 協議によって離婚に合意するのであれば、性格が合わないという理由でも当然離婚できます(協議離婚)。しかし、どちらか一方が離婚に納得できず、裁判となった場合、すぐには離婚は認められないでしょう。
 家庭裁判所にもちこまれる離婚動機のうち、最も多いのが男女共に「性格の不一致」です。離婚理由として認められる「性格の不一致」は、離婚事由の中の「婚姻を継続しがたい重大な事由」 の1つということになります。
 ただ、そもそも夫婦は、全く違う環境で生まれ育った2人が互いの思いやりや努力によって1つの家庭を作り上げるものです。夫婦の性格が違うのはむしろ当然と言えるでしょう。特に最初のうちは料理の味付けや掃除の仕方など、細かい部分で違いがでてきてイライラすることも多いはずです。違いがあれば話し合い、 お互いに譲れるところは譲り合って少しずつ擦り合わせていく髪力が必要です。その努力もせず、単に「性格的に合わない」という理由で離婚訴訟を提起しても、裁判所は「婚姻を継続しがたい重大な事由がある」とは認めません。このため、離婚の請求は追けられる可能性が高いのです。
 それでも「性格の不一致」を理由に離婚を請求するのであれば、 具体的な会話、口論の内容などを述べることによって、それが作り話ではなく事実であるらしいという心証を裁判官にいだかせることが必要です。つまり、「性格や育った家庭環境が違うことを十分理解した上で、夫婦関係を続けていくよう努力をしたが、あまりにも性格が違うため、一緒には暮らすのはとうていムリだ」 「ということを証明するわけです。
 たとえば婚姻期間中につけていた日記ややりとりしたメールな 「どに口論の内容や感じ方の違いなどが記載されていれば、それが 1つの証拠になります。夫婦間のことを誰かに相談したことがあ 「れば、相談相手に証言してもらうという方法もあります。離婚を 「考え始めた段階で、口論するときにその内容を録音もしくは録画しておくと、裁判所が客観的に状況を把握することができますので、より効果的でしょう。
 特に、「相手の性格のせいで病気を発症した」 「相手の性格が一般的に見ても異常だ」という証拠があるなど、これ以上一緒に生活することは困難だと認められるような事情があれば、離婚が認められやすいといえます。
 このような事情がないのであれば、まず妻と協力し合う方法がないか話し合いましょう。お互いの思いを伝え合うことは、夫婦生活を続けていく上で最も大事なことです。それでも折り合いがつかず、離婚しかないと思うのであれば、すでに話し合いをしたことを訴え、なぜ婚姻生活を続けられないかを1つひとつ証明していく他ありません。
 なお、証人として子どもを呼び出すということはまずありません。子どもが証人として中立の証言をするかどうか保証できませんし、子どもにとって過度の負担を伴うという理由からも、子どもの証言をとるということは難しいとされています。