うつ病の妻を5年間看病してきましたがなかなか回復せず、私も疲れ果ててしまいました。病気は離婚の理由として認められますか。
2025年11月19日
離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
梅原 ゆかり
病気だけを理由とした離婚の請求は容易には認められません。
まず当事者同士で協議して、離婚の合意が成立しないのであれば、調停・裁判ということになります。裁判離婚が認められるには、離婚できる正当な理由があることが必要です。正当な理由として認められるものとしては、①不貞行為、②悪意の遺棄(同居し、協力して生活することを一方的にやめる)、③生死不明が3年以上続くこと、④重度の精神病で回復の見込みがないこと、⑤その他婚姻を継続できない重大な事情があること、が挙げられます。
今回の場合、妻のうつ病が回復の見込みがないかどうかが問題となります。この点について、裁判所はかなり病人に有利なように判断する傾向にあります。これは、病気にかかるのは本人の責任ではなく、離婚の責任をすべて病人に負わせるのは酷であるとの考え方によるもののようです。精神病を理由とした離婚が認められるためには、通常、2年から3年治療を続けても回復の見込みがないと医師に診断されたり、離婚後の病人の生活を他方がある程度補償したりすることが必要とされます。
今回の場合、まだ回復の見込みがないとは言い切れず、うつ病を理由とした離婚は難しいでしょう。それでも離婚を望むのであれば、金銭的な援助を申し出るか、病気以外の「婚姻を継続しがたい理由」を併せて主張し、裁判に臨むしかありません。
まず当事者同士で協議して、離婚の合意が成立しないのであれば、調停・裁判ということになります。裁判離婚が認められるには、離婚できる正当な理由があることが必要です。正当な理由として認められるものとしては、①不貞行為、②悪意の遺棄(同居し、協力して生活することを一方的にやめる)、③生死不明が3年以上続くこと、④重度の精神病で回復の見込みがないこと、⑤その他婚姻を継続できない重大な事情があること、が挙げられます。
今回の場合、妻のうつ病が回復の見込みがないかどうかが問題となります。この点について、裁判所はかなり病人に有利なように判断する傾向にあります。これは、病気にかかるのは本人の責任ではなく、離婚の責任をすべて病人に負わせるのは酷であるとの考え方によるもののようです。精神病を理由とした離婚が認められるためには、通常、2年から3年治療を続けても回復の見込みがないと医師に診断されたり、離婚後の病人の生活を他方がある程度補償したりすることが必要とされます。
今回の場合、まだ回復の見込みがないとは言い切れず、うつ病を理由とした離婚は難しいでしょう。それでも離婚を望むのであれば、金銭的な援助を申し出るか、病気以外の「婚姻を継続しがたい理由」を併せて主張し、裁判に臨むしかありません。