探偵の知識

独身時代の借金を隠していたというだけでは、離婚はできないでしょう。

　「まじめだと思っていた夫に、最近、独身時代に海外旅行に何度も行ったためできた借金が200万円もあることがわかった。信頼していただけに不信感が募る毎日･･････。借金を返済するとなると、生活も苦しくなってしまう。結婚前の借金を理由に離婚はできるだろうか」というケースについて考えてみます。
　まず、独身時代の借金を隠し続けていたというだけでは、すぐには離婚事由とはならないでしょう。裁判となっても、「借金問題以外に結婚生活を維持していく上で支障となるような事情はない」として、離婚は認められないと思われます。ただし、今後、 借金を隠していたことにより夫への信頼を全く失ったり、返済不能のため差押や破産手続開始決定を受けるなどして、結婚生活が破たんした場合には、離婚が認められる可能性は高くなります。
　少し法律を離れて実際的な助言になりますが、配偶者の独身時代からの借金は借りた本人に支払義務があるものなので、まず夫に自らの責任で返済してもらうことを考えたらいかがでしょうか。 当面は、夫の親などに肩代わりしてもらい、少しずつ返していく、 などということも現実的な解決方法かもしれません。
　なお、万一離婚した場合、結婚前からの夫の借金の返済請求を第三者から受けることはないので、安心して下さい。